人工血管で障害年金をお考えの方へ

1 こんなお悩みありませんか?

 ☑ 心臓疾患で手術を予定している

 ☑ 大動脈解離で緊急手術を受けることになった

 ☑ 手術でステントグラフトをいれることになった

 →人工血管についても、条件を満たせば障害年金の受給が可能です。

2  人工血管に関する障害年金の認定基準

 人工血管による障害年金は、一般的に心臓疾患で問題となります。

 障害年金の認定にあたっては、日本年金機構ホームページでも公表されている「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」という基準を参照することになります。

 なお、心臓疾患と一口にいっても、不整脈や心不全、弁疾患など様々な種類の心臓疾患がございます。

 このような心臓疾患のなかで、人工血管による障害年金の認定に関係してくるのは「大動脈疾患」によるものです。

 大動脈疾患について、障害認定基準では「1 胸部大動脈解離(Stanford 分類A型・B型)や胸部大動脈瘤により、人工血管を挿入し、かつ、一般状態区分表のイ又はウに該当するもの 2 胸部大動脈解離や胸部大動脈瘤に、難治性の高血圧を合併したもの」を3級に該当すると定めています。

 そのため、大動脈解離により人工血管を挿入することになった場合には、3級の障害年金を受給できる可能性があります。

 なお、この障害認定基準でいう「大動脈瘤」については「嚢状のものは大きさを問わず、紡錘状のものは、正常時(2.5~3cm) の 1.5 倍以上のものをいう。(2 倍以上は手術が必要。)」という留保がついていますので、注意が必要です。

 また、「人工血管」にはステントグラフトも含まれるとされていますので、医師から挿入されたものを「ステントグラフト」と説明された場合に、人工血管じゃないから対象外だなどと誤解しないようお気を付けください。

3 人工血管で障害年金申請する際のポイント

 人工血管を理由にする障害年金は上記の基準にもあるように障害年金の3級に該当するとされています。

 国民年金しか適用されていない場合には、2級以上の等級に該当する必要がありますので、3級では障害年金は、受給できないこととなります。

 厚生年金が適用されるかは、初診日に加入していた年金制度によって判断されますので、初診日を特定できること、その初診日に加入していた年金制度が厚生年金であることが人工血管で障害年金を申請する際のポイントです。

4 人工血管と障害年金に関するQ&A

Q 心臓弁の疾患をかかえて、ステントグラフトを挿入したのですが、障害年金の対象になりますか?

A 人工血管、ステントグラフトによる障害年金は障害認定基準において大動脈疾患に対する基準の中に登場する指標です。

 弁疾患の場合には、「人工弁」等の挿入が指標とされているため、人工血管やステントグラフトを挿入しただけでは、弁疾患の場合には認定対象とならないといえます。

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