てんかんで障害年金が受け取れる場合

文責:所長 弁護士・社会保険労務士 大澤耕平

最終更新日:2024年05月30日

1 てんかんは精神の障害に区分されています

 障害年金の申請をする場合には、所定の診断書の書式を用いて障害の状態を診断書にまとめることが必要となります。

 この所定の診断書は、障害の部位や内容によって何種類かに区分されており、例えば、歩けなくなった方のために用いる診断書と、聴覚障害に悩んでいる方の用いる診断書は全く異なります。

 てんかんの場合、その他にうつや強迫症状などの精神的な症状を伴わない場合でも、制度上「精神の障害」に関する診断書を用いることになっています。

2 精神科の医師に診断書を書いてもらう必要があります

 そして、「精神の障害」に関する診断書については、精神科医が作成することになっているため、てんかんで障害年金の申請を検討する場合、精神科医に診断書の作成を依頼する必要があります。

3 てんかんで障害年金の認定を得るために

 診断書がどのように記載されていれば、てんかんでどれほどの等級で障害年金の認定を受けることができるのかという点については、専門家でも見通しを立てるのが難しい問題です。

 一般的に、うつ病等の典型的な精神疾患であれば、「精神の障害」用の診断書にどのように記載がされているかなど、大まかに、どの程度の等級に該当するのか見当をつけることができます。

 これは、「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」というガイドラインが作成されており、このガイドラインに従えば、不確実な要素はもちろん残りますが、等級認定の見込みについて、ある程度の見通しを立てることができるからです。

 しかし、てんかんの場合には、「精神の障害」用の診断書を用いることになっているものの、当該ガイドラインの対象とはされていないため、判断が非常に難しい障害だといえます。

 てんかんについて適切に障害の認定を受けるには、発作の頻度や、どのくらいの発作が持続するのか、発作のために日常生活や就労にどの程度の制約が加えられているのか等を丁寧に細かく整理して、申請をする必要があります。

4 障害年金の申請でお困りの方は専門家に相談を

 てんかんの障害年金はこのような難しさを抱えているため、申請には弁護士や社会保険労務士等の支援を受けながら、正確に年金機構に症状を伝える努力が必要になります。

 障害年金の申請でお困りの方は、私たちまでご相談ください。

 作成済みの診断書の内容について、実際の状態を適切に伝えられるものとなっているか確認したり、診断書の作成をこれから依頼する場合には、どのように主治医に伝えれば実態がきちんと反映された診断書となるのかをアドバイスしたりさせていただきます。

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