聴力の障害で障害年金が受け取れる場合
1 障害年金認定基準の記載の確認
聴力の障害で障害年金が受け取れる場合については、障害年金の認定基準に以下のように定められています。
・1級:両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの
・2級:両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの身体の機能の障害が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
・3級:両耳の聴力が、40センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度に減じたもの
・障害手当金:一耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じたもの
2 具体的にどの程度の状況が認定基準を満たす状況なのか
もっとも、このような基準だけを見ても、自分自身が障害年金の支給基準を満たしているのかそうでないのかを判断することは簡単ではありません。
まず、この基準を理解しようと思うと、記載されている「デシベル」がだいたいどの程度の音の大きさなのかを知る必要があります。
100デシベルというのは、一般的には、電車が走る音を電車近くの車外から聞いている程度の音といわれています。
90デシベルの場合は、それよりは少し音が小さくなり、盛り上がっているカラオケボックスのなかにいるような程度の音です。
80デシベルの場合は、電車が走っている音を、電車の中から聞いているぐらいの音といわれています。
もちろん、これらの音の大きさはあくまで目安です。
電車の音といっても、線路状況や走行速度によって音の大きさは変わりますし、カラオケの中といってもどの程度の音量が流れているかは一定ではありません。
そのため、上記の説明はあくまで具体的なイメージをしていただくための参考程度に考えていただければと思います。
そして、両耳の聴力レベルが~デシベル以上というのは、両耳の音を聴き取る力が、このくらいの大きさの音でないと十分聴き取れないということです。
3 聴力を検査する方法
この聴力を調べる方法については、障害年金の認定基準の中に検査方法も記載されています。
障害年金の認定基準では、「聴覚の障害による障害の程度は、純音による聴力レベル値(純音聴力レベル値)及び語音による聴力検査値(語音明瞭度)により認定する。(1)聴力レベルは、オージオメータ(JIS規格又はこれに準ずる標準オージオメータ)によって測定するものとする。」と記載されています。
オージオメーターの検査結果は、通常診断書にグラフで記載されています。
4 3級以下の基準に関する補足
なお、3級の基準については、「両耳の聴力が、40センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度に減じたもの」という少し曖昧な基準で記載されています。
この点については、両耳の平均純音聴力レベル値が70デシベル以上である場合か、あるいは、両耳の平均純音聴力レベル値が50デシベル以上で、なおかつ最良語音明瞭度が50%以下である場合が、この基準に該当していると判断されています。
また、障害手当金の基準も、「一耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じたもの」となっており、何デシベル以上というようなわかりやすい基準にはなっていません。
もっとも、障害年金の認定基準によると、具体的には片耳の平均純音聴力レベル値が80デシベル以上のものがこの基準に該当するものとして取り扱われることになっています。
お役立ち情報
(目次)
- 障害年金を受給するためのポイント
- 障害年金で必要な書類
- 障害年金の決定から支給まで
- 不支給通知が届いた場合
- 障害年金の事後重症請求
- 障害年金における社会的治癒とは
- 障害年金の配偶者加算
- 国民年金で障害年金2級が認定された場合の金額
- 障害年金の金額
- 働きながら障害年金を受給できる場合
- 障害年金の受給要件
- 障害年金の時効
- 障害年金の種類
- 障害年金がもらえない理由
- 障害年金における障害認定日とは
- 障害年金受給中に新たな障害が発生した場合の対応方法
- 障害年金を受給することによるデメリット
- うつ病と障害年金3級
- 知的障害の場合の障害年金における初診日
- てんかんで障害年金が受け取れる場合
- 精神疾患について障害年金が認められる基準
- 高次脳機能障害で障害年金が受け取れる場合
- 聴力の障害で障害年金が受け取れる場合
- 気管支喘息で障害年金が受け取れる場合
- 心臓にペースメーカーを入れている場合の障害年金
- 義足で障害年金は受給できるのか
- メニエール病で障害年金を請求する場合のポイント
- 精神疾患の障害年金の更新時の注意点
- 額改定請求について
- 有期認定と永久認定について
- 障害年金と障害者手帳の違い
- 特別障害者手当
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